2004年8月13日
産経新聞報道によると、平成電電は無線LANで携帯の新事業をはじめるそうです。
業界最安値の固定電話事業を展開する平成電電(本社・東京都渋谷区)は8月12日、自動販売機に無線LAN(構内情報通信網)基地局を設置し、移動体向けの高速データ通信事業を来年末にも開始すると発表した。無線LANを活用した携帯電話事業につながる可能性すもあるそうで、データ通信事業に続いて、音声通話事業も視野に入れていう。その日に会見した佐藤賢治会長は「後発である以上、価格競争力を持たせる」と述べたそうであり(各種報道による)、価格競争が激化している携帯業界にさらなる波紋を広げそうである。
平成電電の計画によると、85万台の自動販売機の管理を手がける某社と提携し、自動販売機を無線LANの基地局として使う。携帯電話事業は基地局網の設置が大きなカギとなるが、全国にある自動販売機がそのままネット化されるメリットがあるという。
平成電電の佐藤会長は、「10万局の無線局を設置し、来年末をめどにサービスを開始したい」として、人口カバー率で90%超の無線LAN網を構築する考えを示した。
無線LANシステムについては、九州工業大学の教授でもあるキューウェーブ(本社・東京都渋谷区)の尾知博社長が開発したシステムを利用する。平成電電は、九州の福岡から最初の事業を展開しており、会長も九州出身だそうである。
同システムは、従来型の通信可能範囲が半径150メートル程度にとどまっているのに対し、500メートルの通信半径があり、世界初という複数アンテナを活用するシステムは、切れにくく「時速百キロで走っていても毎秒1メガビットのデータ通信が可能」。データ通信で人気のPHSやカード型携帯電話の対抗馬にもなりそうだ。
すでに無線LANの回路開発は終了しており、実用化に向けて9-12月にかけて名古屋、長野、新潟の100カ所余りの自動販売機に基地局を設置して実証実験を行う。さらにカード型通信端末や基地局整備などの準備を進め、来年末には商用サービスを開始したい考えだ。
実際のサービスについては、2.4ギガヘルツ帯という無線LANや家電などに開放されている周波数帯を使うため、「混信や切断など、品質面での課題が残る可能性もある」(総務省)が、佐藤会長は、「最初は定額制データ通信だが、その半年後には携帯電話型の端末を自社開発し、従量制音声サービスも行う」としている。
平成電電は通信業界では最近参入したばかりだが、今後の発展が大いに期待されるところである。PHSよりも通信速度が速く、さらに音声電話としての利用も可能ということなので、新サービスとして大いに競争力があるという。
|